『もし、永遠に生きなければならなくなったら…貴方はどうしますか?』
『なんだよそれ…不老不死でも目指してんのか?』
『いえ、例えばの話ですよ』
『……お前はどうなんだよ?』
『私は…………』
―――……私はきっと、貴方も巻き込んでしまうでしょう…ずっと貴方の傍にいたいから…
******
「例えば、例えばの話だぞ?もし、俺がお前のことをす…好き…だっていうなら、お前はどうなんだよ」
「だから、私は何度も申し上げているでしょう?私は貴方が好きです。貴方が私を好きになってくれたなら、私は喜んで貴方をお連れしますよ」
「どこへ」
「二人っきりになれる場所へ」
「……何を」
「何をするためにと聞くのは野暮というものですよ?」
「うっ…」
「で、私にキスまでされても嫌がらない名探偵は私のことが嫌いなのですか?」
「…嫌いじゃない」
「じゃあ好き?」
「……わかんねぇ…」
「そうですか…なら、もっと試してみますか?」
「は?」
「おっと。そろそろ警部も来る頃でしょう。少し早めですが、仕方がありませんね」
「キッド…?」
「これから私の隠れ家にご招待しますよ。名探偵」
「なっ…?」
「そこで試してみましょう?」
――……貴方が私を好きなのかどうか。…カラダでね?
******
――…それはとても甘い口づけ…
「んー……」
「どうかされましたか?」
「いや…なんか甘いモンもってねぇ?」
「は?」
「なーんか急に食べたくなるんだよなぁ…別に甘いモンが好きなわけじゃねぇけど」
「そうですか…飴ならありますけど?」
「マジ?何がある?」
「えっと…レモン、ぶどう、オレンジ、パイナップル…ですね」
「じゃあ俺ぶどう」
「はい」
「さんきゅ」
「ぶどう好きなんですか?」
「まぁな。レモンも好きだけど。でも酸っぱいんだよなー」
「では私はレモンにしましょうか」
「美味い?」
「舐めてみます?」
「遠慮しとく」
「それは残念」
「ばーか」
「ぶどうは美味しいですか?」
「んー…甘い」
「そりゃそうでしょう」
「美味いぜ?でもお前にはやらない」
「まだそこまで言ってません」
「ま、代わりに今度飴でもなんでも持ってきてやるよ」
「あ、それならチョコがいいです」
「なんで?」
「今度の仕事は2月14日なんですよ」
「バレンタインってか?お前のことだから沢山貰いそうだな」
「いえ、私は誰からも頂きませんよ。名探偵以外の人に貰っても意味がないですから」
「…どういう意味だ?」
「そのままの意味ですよ」
「ふぅん…」
「ふぅんってそれだけですか?」
「お前もモノ好きだな。まぁいいや。俺が14日に来れたらやるよ。チョコ」
「本当ですか?」
「俺に二言はねぇ。ま、来れたらの話だけどな?」
「その時は私が名探偵の家に伺います」
「来るな」
「行きます」
「……勝手にしろ」
「ありがとうございます」
「ん…そろそろ行くかー…」
「おや、もうこんな時間ですか…もっと名探偵と居たかったですね」
「言ってろ。俺は帰る」
「はい。ではまた」
「おう。じゃあな」
「あ、名探偵」
「あ?っ…んんっ…」
「ん……やっぱり甘いですね」
「……お前は酸っぱいけどな」
「そうですか?もっと味わってみます?」
「調子に乗んな」
「ハハ。ではまたお会いしましょう?」
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「綺麗…だな」
「そうですね」
「それでもこれはお前の探しているものじゃないんだろう?」
「ええ…中々見つからないものですね」
「ビックジュエルってのも意外と多いもんだな」
「ですね。まぁ、そう簡単に見つかるなんて思ってはいませんでしたけど」
「もし、見つけたらどうするつもりなんだ?」
「誰ももう二度と永遠なんて幻想を抱かないように壊してやります」
「組織もな」
「ええ。名探偵に手伝ってもらっているのですからね」
「ま、精々捕まらないようにすることだな」
「誰におっしゃっているのですか?」
「お前。じゃあな」
「もう行かれるのですか?」
「本」
「そうですか…送って行きましょうか?」
「遠慮しとく」
「残念。では」
「おう」
――…でも、私はすでに捕まっているのですよ?貴方に…
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