「しーんーいーちv」
「嫌だ」
「まだ何も言ってないじゃん!!」
「どうせまたくだらない事だろ」
「くだらなくない!」
「じゃあなんだよ」
「花火大会行こ?」
「……」
「なんだよその嫌そうな顔」
「嫌だということを顔で表わしているだけだ」
「また~。本当は行きたいんだろ?」
「誰が行くかッ」
「なんでさ。いいじゃん花火。綺麗なんだし」
「綺麗は綺麗でもあんな人の多いところ…暑いだろ!」
「やっぱり…」
「んなところにお前は俺を連れていこうとすんのか!」
「うーん…確かに他の人間が新一を見るのは気にくわないな~」
「……お前なんかずれてないか?」
「うん。なぁ」
「な、なんだよ」
「花火、屋根の上でみねぇ?」
「は?」
「だからさ、屋根の上で酒でも飲みながら一緒に見ようぜ。それならいい?」
「まぁ……それなら…」
「よっしゃ。じゃあ決まりな!俺つまみ作ってくるから」
「あぁ」
「なんなら浴衣も着る?」
「それはメンドクサイ」
「言うと思った。ならいいや。花火はもうすぐ始まるからな!酒出しといてくれる?」
「わかった」
パタパタとキッチンへ向かう快斗を見送って小さく苦笑した。
「本当は外に出るのも暑くて嫌なんだけどな…。まぁ快斗と一緒なら…」
そんな暑さも気にならないだろうし。
新一が棚から酒を取り出している時。
「花火の下で見る新一も綺麗だろうな~v」
キッチンでニヤニヤと笑みを浮かべながら手際よく料理を仕上げていく男の姿があったとか。
****
何事もなく花火を見て終わり。とは行かないでしょうね。
新一が花火を眺めている時、きっと快斗は新一を眺めているんですよ。
PR